エビ中の「感情電車」はいいぞ

 

スタダの曲をおすすめするシリーズでございます。

 

第1弾はこちら。

 

 

 

第2弾、感情電車。

 

2017年に発売されたアルバム「エビクラシー」に入っております。

 

これはもう本当に私の持っている語彙では語りきれない曲なのだけど、できるかぎり良さを伝えたい。

 

 

まずね、作詞作曲がたむらぱん様。

ありがとうございます。

たむらぱんエビ中のタッグ、本当に最高。

「大人はわかってくれない」「誘惑したいや」「ポップコーントーン」などなど……最高。

 

たむらぱん曲は、年頃の女の子感もありつつ、表現がかわいくてやわらかくて、疾走感もあるっていう。エビ中との親和性が高い。

 

感情電車も例に漏れずあたたかくやわらか。エビ中の持つエネルギーが澄み切って穏やかに伸びていっている感じがする。

特にぽーちゃんの声が沁みる。最後の「どこにも止まれないよ」の、伸ばした音の音程を最後に下げる歌い方すき。

 

 

よく晴れた日の昼下がりに、人の少ない電車の中で揺られながら聴きたい。

箱根登山鉄道とかちょうどいいかもね。人は多そうだけど。

 

 

ここからちょっと深読みこじつけオタクの妄言になります。

 

わたし的には、もともとこれはりななん曲だったんじゃないかなって思うよ。エビクラシーの特典でつけるはずだった、りななんのソロ曲は感情電車だったんじゃないかなって。

 

たむらぱんさんって、ラスサビ前に一番伝えたいことを持ってくる傾向があるとわたしは思っていて。「大人は〜」の「わたしたちは負けない」とか。「誘惑〜」の「だけど後悔したくない」とか。

それを踏まえると、今回の「その」=、メンバーカラーだし。

わざわざBメロを全部ひらがなにして「まつの」を入れたり。

そしてそのBメロは明らかに、りななんが18歳の誕生日ソロコンで歌った奥華子さんの「変わらないもの」をオマージュしてるし。

 

 

そんな感じで、曲の節々にどことなくじんわりとりななんの存在が主張されてる感じがするんですよね。

 

「なないろ」はまだわかる。そのために作られたような曲だから、これでもかと直接的に伝えてくる。

でも、「感情電車」は、その前に作られたのに。すでにレコーディングしてるのに。

と思うとやっぱり松野曲の予定だったんじゃないかなと思ってしまう。(こじつけ)

 

 

うん、やっぱり偶然にしてはいろいろと出来過ぎてる気がするんだよな〜〜〜。

「松野フィーチャー曲」のはずだったのが、結果的に「りななんからエビ中へのメッセージのような、残されたエビ中からりななんへのメッセージのような曲」になった、と考えちゃうな〜〜〜。

まあ真相はわからないけど。

 

 

わたしは、歌というものは歌う人や状況によって捉え方も逐一変わるものだと思っている。

 

公式MVがああいう風になっているのなら、我々もそういう曲だと捉えるべきなのでしょう。だから、元々はそういう意図で書かれたわけではないはずだけど、そういう曲として解釈します。

 

 

そうなったらもうね、こことか。

 

「咲いているあなたの肌に触れた時泣いた」

 

花がたくさん咲いている棺の中で、同じように輝かしく咲いているあなたの肌に触れた時、その見た目とは裏腹な冷たさに思わず泣いてしまった、という状況を思い浮かべずにはいられない。

 

 

わたしが一番好きなのはBメロです。

「わかぎたち〜ふゆのたね」と、「あかねさし〜えにかいた」

 

春夏秋冬、朝昼晩。

当たり前のようにめぐっていくけど、あと何回この移ろいを見届けることができるのか。その中で「変わらないもの」は何か。

なんか桃色空とちょっとリンクする部分かもしれない。

いのちの有限性を実感したエビ中が歌うからこそ活きてくる歌詞、のような気がします。

 

となりあうすそねをえにかいた、は正直よくわからないけど、この解釈でいくのであればこの限りある日々をなんとなく過ごさないように絵に描く、残す、胸に刻むという感じなのかなあ。となりあうすそね、とはなんだろう。うーん。

 

 

 

お互いへのメッセージという解釈をするのであれば、特に印象的なのはやっぱりサビかな。

 

「駆け出してよ」「踏み出してよ」「離しはしないでよ」「忘れないで」

ここだけ見ると、どんどん前へ進んでいってほしい、でもたまには思い出してね、というりななんから7人へのメッセージのようで。

 

それに対して、

 

「感情電車は特快で今もうもうどこにも止まれないよ」

 

ここね。いいよね。

止まらないという自分の意思ではなく、「止まれない」んだよ。止まることができない。

この勢いを誰も邪魔できないんだよ。特別快速だもん。これより上の速度で走る電車はいないんだよ。

悲しいことがあっても前へ進み続ける。今更もう止まれない。

というエビ中からりななんへのメッセージのようで。

 

はー。エッッッモ。

 

 

 

公式のMVもYouTubeに載ってるので。ぜひ。百聞は一見にしかず、なので。

 

りななんが亡くなる数日前に家族旅行していた場所が箱根

彼女のメンバーカラーは

あえてカメラマンをつけずにエビ中がお互いのことを撮り合うようにした

これらを頭の片隅に置いて見てみてください

 

 

 

 

どう見ても一緒に旅行してるんだよな。それで最後のバイバイで訣別するかのような。明るいのにどこか切ない。

 

MVの雰囲気込みでとても好きな曲です。

感情電車はいいぞ。